そのまま２P目へ突入！トポをみるとブッシュをトラバースするただの歩きピッチのよう。ろくにギアも持たずに飛び出したら、なぜかクライミングがはじまってたまたまもっていたカムを使用。そして最後はまたノープロのスラブになった。あれ〜？ま、どうせプロテクション取れないなら持ってこなくて良かった。前方の立木に残置アンカーが見えたのでそこを目指したら、最後はきわどい乗り移りになった。しびれるね〜。

ということで、またしてもリードより怖いトラバースを強いられるビビアン。

スーパーレインは正面壁のど真ん中の最も顕著なクラックシステムをつなぐラインということだから、ここから見えているクラック以外にそれらしいラインは見えないし、まず間違いなくこれだろう。
ワイルドなピッチほどルーファイも難しくグレードの割に厳しく感じるものだが、ここからがスーパーレインのハイライトで、このピッチは5.10aのクラック。ビビアンはショートルートなら5.10後半のクラックも登っているのでここをリードしてもらうことにした。なんだかすごく悪そうで、ビビアンは慎重にラインを探りながら漸進していく。
と、「クラックがなくなった」と言い動きが止まった。さいごはキャメ#2が足元の1m以上下というところでぐらっとバランスを崩す！ビレイするちっぺも手に汗を握った。しかしビビアンは見事オンサイトで立木を掴んだ！ほっ。

このピッチはそのあと少しトラバースし、左上のクラックに乗り移ってテラスまで登る。トラバースを開始したビビアンが「ロープの流れが重過ぎる。ピッチきったほうがいいかな？」と言う。うーん。ラインは合ってそうだし、プロテクションを工夫すれば登りきれるはずなのではないだろうか。そう説明すると、ビビアンは更に残りのクラックをぐいぐい登って行きテラスの上へと消えた。やった！オンサイトだ！

しかし、フォローしてみて気がついた。まず、ビビアンが苦労していたはじめの核心部。ものすごく悪いw そもそもトポでこのピッチの前半部分は５．７か５．６と記されているのだ。極小カチでえげつないハイステップをきめる５．７があってたまるか！そして、その後のトラバース。うん。ものすごくトラバースしてる。めっっちゃトラバースしてる。これを１Pで登るというのは合理的でない。なにかがおかしいぞ・・・(笑)

ここで気がついた。もう一度トポを見直してみる。そうか、地形的にも間違いない。さっきビビアンが登ったピッチは白波ルートの2P目、5.10c PD (笑)。そのピッチの終了点をランナーにしてスーパーレインの４P目の取り付きまで大トラバースし、そのまま４P目も繋げて登ったのだ。逡巡するビビアンに下から「ラインは明らかだし大丈夫です！5.10aだから、自信もって！」って散々叫んで煽ってたのはどこのどいつだ。それにつけてもビビアンナイス！リードは不安と言っていながら、このルートの核心部をオンサイト（しかも２P繋げて！w）
いや〜！海は広いな〜〜！！

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