前回の敗退の原因はたくさんある。
1.そのシーズンの初冬山だった(冬山入山回数が少なすぎた)
2.冬山の天候や雪崩のことについてなど、知識が不確かだった
3.予備日を十分にとらずに後の予定を入れていた
4.冬山生活技術が未熟だった
こうして並べると実に稚拙だ。
冬期北アルプスが初体験だったこともあって、得意の「気合いと根性」でつっこんでいいものか判断がつかず、逃げ帰ってきた。
今回はその反省を活かし、不安要素を限りなくゼロにするよう準備した。
無知が不安を呼ぶ、経験不足が不安を呼ぶ。
だからもう一度冬山の本や山岳気象の本を読んで勉強しなおし、雪山に入って雪訓した。
雪山技術で私たちに足りないのは歩行技術やクライミング技術というよりも、生活技術や精神力的なところだと思われた。
それは今までの冬山行がアタック形式の登攀要素の強い山行ばかりだったから。冬の本格的な縦走はやったことがなかった。
テントの張り方を再考し、練習。ビバーク訓練で寒さに負けない心も養った。
装備もしっかり整備した。そもそも今までアイゼンを研いだことがなかったというのがおかしいけれど、「色々やった」って思えることが自信につながる。
不安要素はどんどん減っていって、わくわく要素>>憂鬱になっていった。