2007年の目標は3000m峰21座の制覇である。
だが私たちが登頂したのはまだそのうちの富士山一座のみだ。
そして今回、私たちが2番目の3000m峰として選んだのは、
日本第16位の標高をもつ南アルプスは塩見岳だった。
まだ雪深い6月の3000m峰で私たちが経験したのは
些細な判断ミスがもたらした遭難寸前の状況であった。
その困難な状況の中でひしひしと感じたもの。
それは、自分が生きているという"生"の実感。
その生々しい"生"と過酷な環境で生きる雷鳥の姿は、
登山というものの本質に迫る
大切な何かを私たちに教えてくれたのだった。